登 記

 土地や建物は登記をしないと第三者に対して自己の所有権を主張できません。
「登記」とは土地・建物について「誰が何を所有しているのか?」という情報を公の機関(法務局)が管理しその情報を必要な人々に提供すると共に、自己の財産を保全するための制度です。
「誰が所有しているのか?」の情報を記録することを「権利に関する登記」といい、司法書士が代理人となって登記することができます。
「何を所有しているのか?」の情報を記録することを「表示に関する登記」といい、土地家屋調査士が代理人となって登記することができます。
 土地家屋調査士は所有権の及ぶ範囲(何を所有しているのか?)を調査・測量・登記することにより、皆様の大切な財産である不動産をお守りします。

土地に関する登記

登記の種類 どんなとき? 作業期間 費用の目安(税込)
土地分筆登記 1つの土地をいくつかに分割したいとき 1~2ヶ月位
(注1)
440,000円~
(注2)
地積更正登記 登記簿面積を正しい面積に訂正したいとき 1~2ヶ月位
(注1)
440,000円~
(注2)
土地合筆登記 いくつかの土地をまとめて1つにしたいとき 2週間位 44,000円~
(注2)
地目変更登記 土地の利用状況が変わったとき
(開発道路を新設したとき等)
2週間位 44,000円~
(注3)
土地表題登記 官有地の払下げを受けたとき
官有地を時効で取得したとき
内容による 内容による
地図訂正の申出 公図の形状や隣接地との位置関係を正しいものに訂正したいとき 内容による 内容による
(注1)道路・水路等の官有地との境界が未確定のときは、プラス1~3ヶ月位の期間が必要です。
(注2)確定測量代込の金額です。ただし、道路・水路などの官有地との境界が未確定のときは、追加費用が必要となります。
(注3)農地を転用するときは、別途農地転用の手続きが必要となります。
※費用の額は諸条件によって異なりますので、詳しくはお問い合わせください。

  • 隣接地所有者様の行方が分からず、境界線が確定出来ない場合の解決策
 隣接地所有者様の行方が分からず、境界線が確定出来ない場合、「裁判所の不在者財産管理人制度」を利用して境界線を確定できるケースがあります。具体的には次のようなケースです。
(具体例1)明治時代に所有権の登記がされ、所有者の戸籍を調べても、その住所地が関東大震災や東京大空襲の影響で戸籍が焼失したエリアにあたり、調べようがないケース。
(具体例2)明治時代の表題部所有者の登記しかされておらず、しかも所有者の氏名の記載のみで、住所の記載がないため調べようがないケース。
 裁判所の許可を得て、境界線を確定させる場合、手続きは2段階に分かれております。
第1段階で「不在者財産管理人の選任」を受けます。この段階で不在者財産管理人にできることは、民法103条に定められた保存行為、利用・改良行為です。古くなった建物を修繕したり、建物に造作を加え、建物の価値を増加させる行為などです。境界線を確定させる行為は不在者財産管理人の権限の範囲を超えているため、この段階では境界線を確定させることはできません。境界線を確定させるには、追加で裁判所の許可を得る必要があります。
それが第2段階の「権限外行為許可」を得る行為です。本来であれば、不在者財産管理人の権限の範囲を超えているが、不在者との境界線を確定させても、不在者が不利益を被らないといった裏付け資料を裁判所に提出することにより、裁判所の許可を得て境界線を確定させることができます。
 この制度は、共同相続人の中に行方不明者がいる場合の「遺産分割協議」や不在者所有の建物が老朽化し、修理や取壊しが必要な場合の「空き家対策」などにも使われます。
 なお、裁判所が独自に不在者の調査を行い、不在者の行方が判明した場合、この制度は使えません。
  • 対象不動産の隣に青地がある場合の注意点(青地の境界確定、払下げ、土地表題登記の3つの手続き)
 青地(国有地)は公図上2本の実線の長狭線で帯状に囲まれた無番地の土地で、土地台帳等の公簿に登録された痕跡のない土地のことです。現在ある公図の多くは明治時代に徴税目的で作られたものがベースとなっております。明治時代初期は耕作地の収穫高に着目して課税していたので、収穫の見込めない部分が本地の測量から除外されていました。田畑の境にある畔道や、高低差のある田畑の境にある崖部分(法面部分)などです。この部分は作物の収穫が見込めず、課税されていなかったので、現在も青地として残っているケースがあります。特に、神奈川県内には青地が多く存在しており、その面積は約196万坪と推定されております。
 この青地に接した土地では、青地の境界確定(土地家屋調査士)→ 払下げ(行政書士)→ 土地表題登記(土地家屋調査士)の3つの手続きを経なければ土地利用が出来ないケースがあります。対象不動産と道路の間に青地があって接道していない場合や、対象不動産の一部に青地が含まれており、青地部分の払下げを受けないと、青地を含めた一体の土地として売却できない場合などです。青地に関係する3つの手続きの中では、1つ目の作業、古い資料などから作物の収穫が見込めない部分(課税されていなかった部分)を見極める境界確定作業が非常に重要な作業となります。
 手続上の注意点は、次の通りです。
(1)青地の境界確定 → 払下げ → 土地表題登記の3つの手続には、土地家屋調査士と行政書士の連携が必要となり、すべて終わらせるのに半年位の期間を要する。
(2)青地の払下げを受けるには、土地代金を財務省に出向いて支払う必要がある。土地代金の目安は相続税路線価の半額位と言われるが、具体的な金額は財務省が案件ごとに算出する。
(3)青地は比較的安価で購入できるが、手続が煩雑なため、青地の購入代金よりも手続費用の方が高くなる傾向がある。
(4)場合によっては青地を時効取得できるケースもあるが、時効取得するには様々な裏付け資料が必要で、要件は厳しい。

建物に関する登記

登記の種類 どんなとき? 作業期間 費用の目安
(税込)
建物表題登記 建物を新築したとき 2週間位 88,000円~
建物滅失登記 建物を取り壊したとき 2週間位 44,000円~
建物滅失申出 前所有者名義の取壊された建物が登記上、残っていて前所有者の行方が不明なので、登記官の職権で滅失登記をしてもらうとき(注1) 3週間位 44,000円~
建物表題部変更登記 建物を増築したとき 2週間位 88,000円~
区分建物合併登記 区分建物として登記された2世帯住宅を、登記の仕方を変えて1つの普通建物にするとき(注2) 2週間位 132,000円~
区分建物合体登記 区分建物として登記された2世帯住宅内部の隔壁を除去して、1つの普通建物に登記の仕方を変更するとき(注3) 2週間位 132,000円~
(注1)登記官から建物所有者に対してハガキが発送される関係で、通常の滅失登記よりも時間を要します。
(注2)持分が違う場合は合併ができないので、事前に持分を同じ持分とする持分の交換登記が必要です。
抵当権が設定されている場合は、抵当権の内容が同じでないと合併はできません。
(注3)2世帯住宅の内部を仕切っている隔壁を工事によって除去し、内部で行き来できるようにすることが必要です。

  • 合併登記と合体登記の違いについて
  「区分建物合併登記」と「区分建物合体登記」の違いは、2世帯住宅の内部を仕切る隔壁を除去する工事が必要か否かです。隔壁を除去する工事して1つの建物にするのが合体登記で、工事はしないで登記の仕方のみを変更するのが合併登記です。合併登記をするには①合併する2つの建物の持分が同じ②抵当権が設定されている場合は、抵当権の内容が同じ、という条件を満たす必要があります。どちらの登記手続きも「小規模宅地等の特例」の適用を受けるため、現在所有する2世帯住宅の、登記の仕方を変更したい場合に必要となる登記手続きです。