2024年10月25日
【筆力】
日本人の読書離れが加速していると言われます。文科省が公表している国語に関する世論調査に、1か月に読む本の冊数の項目があるのだが、それによると、「読まない」が 62.6%、「1,2冊」が 27.6%、「3,4 冊」が 6.0%、「5,6冊」が 1.5%、「7冊以上」が 1.8%となっており、6割以上の人が1か月に1冊も本読まない結果となっている。
他の業界のことは分からないが、調査士業界の人もおそらく6割以上の人が1か月に1冊も本を読んでいない気がします(あくまでも私の肌感覚ですが)。
読書量の多い人ほど、頭の中の引き出しに語彙力、表現力のストックが貯金のように蓄積されていくため、自分が勉強した専門知識を分かりやすい言葉に置き換えて第三者に伝える【筆力】が向上していくのだが、本を読まなければ語彙力、表現力のストックが蓄積されないので、【筆力】は向上しないと思います。
土地家屋調査士の仕事は理系半分、文系半分のようなところがあり、測量技術の向上という理系的要素注力する人は多いのだが、【筆力】を向上させるという文系的要素に注力する人は少ないと思います。
土地家屋調査士と行政書士の兼業者であれば分かると思いますが、土地家屋調査士と行政書士の一番の違い【筆力】です。行政書士の方が言語能力、作文能力の高い筆の立つ人が多いと思います。資格者の履歴書兼職務経歴書であるホームページやブログを見れば分かります。
大きな声では言えないが、測量技術の向上だけに注力しても、それを第三者に伝える【筆力】に磨きをかけないと、競合他社と比べて何が優れているのか、ということが一般の方には伝わらないと思います。私自身も他の行政書士さんに比べ【筆力】が弱いので、【筆力】を向上させるという、アウトプットトレーニングも兼ねてブログを始めたところがあります。
【筆力】を向上させるために読書量を増やすデメリットは、読書量の多い人と、読書を全くしない人とでは、知識量に格差がありすぎて話が通じない、というところがあります。
私自身、コロナ禍が始まって、half-truth(半分真実、半分公告)と言われるメディアの垂れ流す無料情報には不信感しかなかったので、ここ数年は本業の勉強よりも優先して、医療関係の本を読み漁ってきました。言いにくい話ですが、資格を取っただけで「先生、先生」と持て栄される士業には、プライドの高い人が多く、自分の信念や信じていることを強化する情報は受け入れるが、自分の信念や信じていることに反する情報はする拒絶する、という特徴(合理的非合理性という)を持った人が多い気がします。
「智に働けば角が立つ情に棹させば流される」と言われるように、勉強した知識をひけらかしても角が立ちますし、だからといってhalf-truth(半分真実、半分公告)と言われるメディアの垂れ流す無料情報を鵜呑みにし、みんなと同じ行動を取っていたのでは、謎の体調不良に苦しむだけです。
合理的非合理性という特徴のある人に勉強した知識をひけらかしても、余計なお節介にしかならないですし、角が立つので、勉強した知識はポケットの中にしまい込んで見せびらかさないようにする必要がある、というのが【筆力】を向上させるために読書量を増やすデメリットになります。